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習慣から睡眠を変える〜Vol4ビジネスパーソン実践編 お知らせ2020.06.10

前回の投稿で紹介した就寝前マッサージは実践してみたでしょうか?

今回は、仕事をしている方に必見の情報をご紹介します。

仕事をしている方の多くに昼食後に「眠気が生じる」という経験をされたことはないでしょうか?

勤務形態によっては会議や打ち合わせが外せない方もいらっしゃるかと思います。

この眠気が生じている場合には、睡眠を見直す必要があります。

どのように対処し、向き合っていくかで仕事能率や睡眠の質を変えることができます。

仮眠は必要か?

最近、あちこちで昼寝を推奨しているところが増えてきており、昼寝が見直されているのをご存知でしょうか?

 

これは睡眠負債の影響が考えられています。

本来、夜に十分な睡眠が取れていれば、昼寝をする必要がないのですが社会全体に慢性的な睡眠不足の人の割合が増えてきたからです。

さらに、全国的に自粛宣言が解除されこれまでの勤務形態に変わったことにより体内時計のズレ(概日リズムのズレ)による影響も懸念されます。

 

ある研究で仮眠をとった後の脳波や認知機能などを調べたところパフォーマンスが上がることが実証されてから昼寝が積極的に推奨されるようになってきたのです。

 

仮眠を摂ることで、

睡眠不足の根本解決になるわけではありませんが、対症療法的に睡眠の不足分を補おうということでもあります。

 

アメリカでは、短時間の仮眠でパフォーマンスの効率を上げることを「パワーナップ」と呼び大手企業で積極的に取り入れられています。

 

日本でも、一部の学校や企業で短時間の昼寝を導入したところ、

・午後の授業や仕事に取り組む姿勢が前向きになった

・成績が上がった

ということが実証されています。

厚生労働省の主導する「健康づくりのための睡眠指針2014」のなかにも昼寝についての言及があり、

「午後3時以前で、30分以内の短時間が望ましい」と言われています。

 

しかし、

昼寝を30分以上とってしまうことのデメリットもあります…

・深い眠りに入ってしまい、起きたときの睡眠慣性が出てしまいやすい

・夕方にかけて長く寝てしまうと、睡眠圧が下がり、就寝時間が遅くなりやすいこと

・夜の睡眠で最初に深い睡眠サイクルが出にくくなること

 

さらに、昼寝と認知症発症リスクの研究においては興味深い結果が実証されています。

・「30分未満の昼寝」をする人は「昼寝の習慣がない」人に比べて、

認知症発症リスクが1/7であった。

しかし、

・「1時間以上昼寝」をする人は「昼寝の習慣がない」人に比べて、

症発症リスクが2倍も高かったのです。

 

これらの要素を踏まえると仮眠をとるなら20分程度とするのが推奨されます。

 

あくまでも脳の疲れをひと休みさせるための仮眠であり、長く寝ないことがポイントです。 

眠気や疲れが生じている場合は積極的に仮眠を取り入れて午後の仕事の能率アップを図ってみてはいかがでしょうか?

②眠気の対処方法

昼食後の午後2時ごろに「どうもやる気が低下する」「眠気が出てくる」このような経験をされたことはないでしょうか?

これは、アフタヌーンディップという現象です。

昼食を摂って満腹になることで、脳への血流が減るからといわれていますが、これは体内リズムの問題ともいえます。

 

昼食の有無に限らず、この時間帯は、覚醒度が低下しやすい時間帯なのです。

ですが、

昼食を食べすぎると、満腹感から気だるさが出て、意欲が低滅しやすいのは確かです。

ランチは、適度な量(腹八分目)にすることをオススメします。

 

この、アフタヌーンディップの対処法には、

覚醒系の神経伝達物質が活発になるように働きかけることが鍵になります。

以下の方法がオススメです。

・ものをよく「噛む」ことで脳を活性化させる

・カフェインを摂取する

カフェインには、動物の体内では構成できない植物由来の覚醒を促す物質でD N A
などの核酸成分でもあり、眠気を促すアデノシンという物質の作用に対抗します。

 

身体の深部体温を高める方が活動量を上げられるため、

昼食後にHotコーヒーを摂ることをオススメします。

 

ですが、

カフェインの摂取方法に応じては、睡眠に大きな影響を与えることは皆様もご周知かと思います。

就寝6時間前に摂った段階で睡眠が阻害されることが明らかになっています。

さらに、血中カフェイン濃度は半分になるまで約4時間かかるとも言われています。

 

そのため、夕方にコーヒーを飲みたくなった場合は、カフェインが入っていないディカフェがおすすめです。

ぜひ明日から試してみてください。

次回は、睡眠と認知機能について、アスリート必見睡眠方法をご紹介していきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

<参考文献>

・熟睡の習慣/西野清治

・高齢者の睡眠を守る/井上雄一

SLEEP/ショーン・スティーブンソン

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